医師国家試験問題解説

医師国家試験に落ちる人

医師国家試験(国試)の勉強の仕方や合格の秘訣 といった記事はよく目にしますが、国試に落ちる人の傾向に関する記事は少ないようです。今回は国試に落ちる人の傾向(と対策)をまとめます。勉強不足というのも一面ですが、それにも色々あるようです。もちろん当てはまるから、当てはまらないからと言って合否を決めるものではありません。

果たして、あなたは大丈夫ですか?

医師国家試験に落ちるのはこんな人

国試の勉強を途中であきらめてしまう人

一つのことにこだわりすぎる人

みんなが勉強するところをやらない人

国試の情報を取り入れてない人

国試本番でいつもと違う問題の解き方をする人

国試本番で体調を崩す人

国試の勉強を途中であきらめてしまう人

国試の勉強はひたすら長いです。通常は5年生~6年生の2年間勉強し続けなければなりません。しかも最初は分からないことだらけ、覚えてもまた忘れる、ポリクリや大学の試験で忙しい、就職前に遊びたい… などの障害で勉強を中断しがちです。しかし、継続して勉強しなければなかなか問題が解けるようになりません。

この予防としては、

  • 勉強会にグループに入る、勉強友達を作って定期的に進捗を確認する
  • 勉強しなければならない量(例えばQB5周分+教科書)を図書館などで確認し、長期スケジュールを立てる(調整しやすい緩やかな計画が望ましい)

一つのことにこだわりすぎる人

一つの病気や狭い分野にこだわって過度に深く長く勉強しようとする人です。頻出される病態の理解はもちろん大切ですが、度が過ぎると全体がおろそかになりかねません。国試対策ではより早く全体を見渡す勉強が求められます。

この予防としては、

  • 先に全範囲を一度終わらせることに目標にする → 教科書にもどるべきところを抽出
  • こだわるポイントは時間を絞って勉強

みんなが勉強するところをやらない人

国試では正解率が低い問題は採点除外されます。90%の合格率ですから、みんなが解けない問題を解ける必要はないのです。逆にみんなが解ける問題は解けなければなりません。そのためには、みんなが勉強するところは勉強しておく必要があります。みんなが勉強するところ…それは、ずばり過去問です。

過去問から外れて勉強するのも医学の勉強には不可欠ですが、国試対策としては間違いです。ただし、過去問で繰り返し問われるポイントや病態を理解することは大切ですので、ポイントを絞りつつ教科書などを読む といった過去問から外れすぎない勉強を意識しましょう。

国試の情報を取り入れてない人

国試は広大な医学全体を無作為に問う試験ではなく、数年ごとに改定される厳密な設計図(ブルーノート)に則って作られます。出題範囲や分野毎の割合が決まっています(でも割合の少ない分野を切り捨ててはいけせん)。過去問に出ていても出題範囲から外れるものもありますので、注意しましょう。問題作成者も公表されています。作成者の専門分野が出ることもあります。

そんなのイチイチ調べてられないよ…と思いますよね。

でもこれを踏まえて問題を作ってくれるのが国試予備校等の模擬試験です。模試は本番の練習の意味もありますが、どんな問題が出やすいのか効率よく知ることができるツールでもあるのです。

これらの国試の情報を取り入れていないと、みんなが知っていることを知らないなんてことになりかねません。

ABOUT ME
清水 少一
産業医科大学医学部 免疫学・寄生虫学 講師/ 医師、博士(医学)、感染症・総合内科・産業衛生のトリプル専門医。 Researchmap https://researchmap.jp/show1