医師国家試験問題解説

AIDS指標疾患に含まれる癌は?

108B13
選択肢を検討する

AIDSはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症の内、免疫不全に起因して通常ではあまりないような日和見感染症や癌(=指標疾患)に陥っている状態を指します。

AIDS指標疾患を覚えていれば、逆に未診断のHIV感染症を発見することにもつながります。(いわゆるいきなりエイズ)

指標疾患に含まれる悪性腫瘍は、すべてウイルスに起因。

✖a 胃がん ただし、胃を含む非ホジキンリンパ腫は指標疾患です。またピロリ菌感染と免疫不全は関連がありません(逆に免疫不全の方がピロリによる病変が軽減されるという報告も)。

✖b 乳がん

✖c 卵巣がん

✖d 大腸がん

〇e 子宮頸がん :ほとんどがHPV(ヒトパピローマウイルス)に起因します。ワクチン打ちましたか?

解答

e 子宮頸がん

現場で役立つ知識

AIDS指標疾患に含まれる腫瘍は

  • カポジ肉腫
  • 原発性脳リンパ腫:結核、トキソプラズマ症との鑑別が難しい
  • 非ホジキンリンパ腫
  • 浸潤性子宮頸がん

HIV感染症は5類感染症で7日以内に届け出。AIDS状態かどうかを記載する必要があるため、指標疾患を知っておく必要がある

他の指標疾患はこちら↓

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-07.html

ABOUT ME
清水 少一
産業医科大学医学部 免疫学・寄生虫学 講師/ 医師、博士(医学)、感染症・総合内科・産業衛生のトリプル専門医。 Researchmap https://researchmap.jp/show1