医師国家試験問題解説

抗菌薬が有効な感染症

101B98

選択肢を検討する

抗菌薬が有効な疾患、つまり、細菌が原因であるものを選ぶ。細菌が原因でもその毒素や交差免疫が原因となると抗菌薬だけで治療が困難なものもある。(例:ジフテリア、破傷風、急性糸球体腎炎など)

△a.国試的には〇 だが、百日咳を発症して、診断がつく頃には抗菌薬が効きにくいことが多い。 症状の原因は毒素によるもの。ワクチンで予防する。

✖b.蚊媒介性のウイルス疾患。ワクチンで予防する。

✖c. いわゆる「リンゴ病」。パルボウイルスB19が原因。

✖d. ヒトヘルペスウイルス6型が原因。

〇e. リケッチアが原因。抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)が有効。ただし細胞壁がないため、ペニシリン等のβラクタム系は無効。

 

解答

a, e (百日咳、つつが虫病)

現場で役立つ知識

百日咳はワクチンの効果が低下する小学高学年以降で患者が出やすいため、欧米ではその時期にワクチンの追加接種を行う。留学先や妊産婦の付き添い等で追加接種を要求されることが多い。

ABOUT ME
清水 少一
産業医科大学医学部 免疫学・寄生虫学 講師/ 医師、博士(医学)、感染症・総合内科・産業衛生のトリプル専門医。 Researchmap https://researchmap.jp/show1