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選択肢を検討する
咽頭炎の抗菌薬の適応を考える。抗菌薬を投与するからには細菌感染症を鑑別する必要がある。
細菌性咽頭炎の特徴は、①高熱、②頚部リンパ節腫脹、③扁桃腫大・白苔、④小児に多い ことである。一方、ウイルス性咽頭炎の特徴は、咳嗽や鼻汁の併存(いわゆる普通感冒)である。
よって、咳、鼻汁が無く、体温が高く、扁桃腫大と白苔があり、リンパ節腫大を認める「b」が正解。
正解
b. 咳(ー)、鼻汁(-)、体温38.6℃、扁桃腫大(+)・白苔(+)、リンパ節腫脹 頚部(+)
現場で役立つ知識
咽頭炎は一般内科外来で最も多い主訴の一つ。咽頭炎の8割以上はウイルス性であり、抗菌薬は不要。また細菌性でも多くがA群溶連菌であり(これも多くが自然軽快するが、)抗菌薬投与により症状を短縮させ、まれな合併症の予防が可能。
投与する抗菌薬の例としては
アモキシシリン 1000mg 分2 10日間
ペニシリンアレルギーに対しては
クリンダマイシン 900mg 分3 10日間
細菌性は、伝染性単核球症(IM)としばしば鑑別が難しい。IMでは後頚部~全身リンパ節腫大、肝脾腫、血球異常が特徴。口腔内出血、発疹を伴うことも多い。
更にIMはしばしば急性HIV感染症とも類似する。