医師国家試験問題解説

米のとぎ汁様下痢への対応

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問題のキーワード

米のとぎ汁様下痢 → コレラの特徴 :これが分からないと解けない問題

Hb 19.0, Ht 50% → 脱水 

アルブミン 3.3, K 3.2 → 分泌性下痢

選択肢を検討する

〇a.  コレラの診断に必要。そうでなくても中等症以上の下痢では便培養を。

〇b. 脱水を認め、コレラでなくても必要。

△c. コレラは抗菌薬不要な症例が多い。ただし、テトラサイクリンやキノロン、ST合剤は下痢の期間を短縮するのに有効である。

×d. 感染症法では強制入院させる制度はない。なお、1-2類感染症では入院勧奨ができる。

〇e. 感染症法に従って保健所を経由して県知事あてに届け出が必要である。

正解

d. 強制入院

現場で使える知識

下痢症は様々な原因があるが、共通して致命的な状態は脱水。脱水またはそれになり得るか(経口補水ができるか)を判断する。

血便は精査が必要。

下痢の患者を診たら必ず海外渡航歴を聞く!:南アジアなど耐性菌のリスクが高い

ABOUT ME
清水 少一
産業医科大学医学部 免疫学・寄生虫学 講師/ 医師、博士(医学)、感染症・総合内科・産業衛生のトリプル専門医。 Researchmap https://researchmap.jp/show1