スポンサーリンク

選択肢を検討する
渡航医学に関する問題。実診療ではかなり幅広い知識が要求される。
〇a. 小児期の予防接種対象疾患で、日本ではほとんどない感染症でも現地で流行していることもある。そうでなくても予防接種歴を確認する良い機会である。
〇b. 旅行者下痢症は毒素原性大腸菌によるものが多く、ほとんどが自然治癒する。下手に抗菌薬を服用すると長期化することもあるため、まずは経口補水で対処することが望ましい。
×c. 狂犬病の9割がイヌ由来だが、それ以外の哺乳類全てに感染しうるため注意が必要。
×d. アフリカならば蚊媒介疾患としてまずは黄熱を想定する。生ワクチン1回接種で一生予防できるとされている。
×e. 寄生虫症など潜伏期間が長期に及ぶものも少なくない。
正解
a. と b.
現場で使える知識
設問のような診療の依頼があった場合は、以下の点もアドバイスしたい
- トラベラーズワクチン接種の検討:A型肝炎、腸チフス、狂犬病など
- マラリア予防:虫よけの使い方、夜の行動、宿泊場所、予防薬の検討
- イエローカードの取得:入国時に黄熱ワクチン接種が必要であれば検疫所等の黄熱ワクチンが接種できるところを案内する
- 経口感染の予防:安全な食事や水の確保、手洗い
- 性感染症予防:本人は否定するが…
- 母子手帳の予防接種の確認、補完
- 旅行保険への加入